「ロジスティクスEDI」 Q&A
前々号のVAN VAN Topicsおよび前号の本コーナーで、「ロジスティクスEDI」全体の概要と「出荷予定データ」についてご説明しました。
今回は、これまで皆様からいただいた問い合わせをもとに、具体的な運用面の疑問にお答えします。
Q : ロジスティクスEDIで便利な機能がありましたら教えてください
A : ロジスティクスEDIはデータ交換だけでなく、物流の進捗状況を可視化し、必要な情報を簡単に検索できる機能を用意しています。下のような表をウェブ画面で閲覧でき、「発注」「在庫引当」「出荷確定」「入荷確定」といった物流ステータスが表示され、各商品がどの段階にあるかが分かります。この画面はメーカー用、卸売業用、物流事業者用があり、それぞれ自社が関わる取引の情報だけが表示されます。これまでは問い合わせなければ分からなかった情報が可視化されることで、メーカー・卸売業ともに問い合わせに要する時間が削減できます。
また、ロジスティクスEDIでは納品伝票をPDF化することもできます。専用の伝票やプリンターを用いる従来方式よりもコストを削減でき、ペーパーレス化にもつながります。
Q : 出荷業務は委託しているので、メーカーでは分からない情報もあるのですが…
A : 前回ご紹介した「出荷予定データ」の作成に必要なトラックの積載内容や車両台数、到着予定時刻などは、委託先の倉庫管理事業者や輸配送事業者しか把握していないケースも多いと思われます。
「メーカーと卸売業間でデータを交換する」というEDIの原則を考慮すれば、これらの情報を委託先事業者がメーカーに伝え、メーカーからデータを送信いただくことになりますが、この場合、必要な情報が卸売業に届くのが遅くなってしまう可能性があります。また、メーカーの休業日に委託先が輸配送を行うケースも考えられます。
そこでロジスティクスEDIでは、委託先事業者が直接プラネットに情報を送信し、メーカーを経由しなくてもデータが卸売業に届くようにできる運用法も想定しています。
Q : メーカーからはどんな情報をどんなタイミングで送ればよいのですか?
A: 現在の商慣習では、午前中までに卸売業がメーカーに発注し、その後メーカーが在庫引当や出荷指示を行い、翌日の午前中に商品が届きます。
車両台数や積載内容などの情報が確定するのは夕方ごろになると想定されますが、卸売業がもっと早く情報を知りたい場合や、そこまで詳細な情報を必要としない場合、在庫引当など早期の段階でデータを送る運用法も考えられます。
たとえば、発注した商品が欠品なくすべて届くかどうか、また、一回でまとめて届くのか、それとも複数の便に分かれて届くのかといった情報は、現在は卸売業には事前に伝わらないため、一部の商品だけが届いた場合、追加で商品が届くかどうか分からないという課題があります。これらの情報は在庫引当時にある程度判明しますので、その時点のデータを送るだけでもメリットがあると想定されます。
いつどんな情報を送るかは、卸売業のニーズとメーカー・委託先事業者の業務負荷のバランスをとりながら調整する事項となります。
ロジスティクスEDIは現在開発中の部分が多く、今回ご説明した内容も大半が実証段階や構想段階のものです。今後もユーザー様のニーズやご意見を取り入れながら、より実用性を高めていきたいと考えています。
今回取り上げた事項以外でも、ご不明な点やもっと詳しく知りたいことがございましたら、ぜひお問い合わせください。
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