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トップメッセージ

基幹EDI通信データ量の減少により
対前年同期比で微減収、売上計画も僅かに未達
 実質賃金がプラス基調に転じ、個人消費は底堅く推移している一方で、物価高による生活防衛意識は依然として根強く、生活必需品に対する選別的な「消費の二極化」が定着しています。こうした中、一般消費財の大手メーカー各社は収益向上や物流負担の軽減を目的に、商品アイテム数(SKU)の削減や大容量化を進めています。当社の基幹EDIは「物量が動く」ことを前提とした従量課金モデルであるため、この動きはデータ通信量の減少に直結し、今上期の減収要因となりました。
 一方、2026年4月に本格施行される改正物流効率化法により、「特定荷主(年間9万トン以上の貨物を取り扱う大荷主)」への規制対応が急務となっています。日用品・化粧品業界において直接の規制対象となるメーカーは限定的ですが、法的義務を負う大手卸売業からの働きかけにより、サプライチェーン全体でASN活用等が進むと見込まれます。これに伴い、当社の「ロジスティクスEDI」も着実に利用企業の裾野を広げており、今後も安定的な成長に寄与するものと捉えています。
  
事業の持続的成長に向けた戦略の進捗状況
 事業環境の変化を受け止め、業界全体の「生産性向上・業務効率化」「トップライン増力化」「サステナビリティ」に寄与する視点から、データ活⽤による新たな価値創造の取り組みを継続しています。

■ 基幹EDIの横展開×深掘り
 既存の主力業界におけるデータ通信量が成熟傾向にある中で、ペットフード・用品、OTC医薬品、健康食品、衛生、ベビー、介護といった隣接業界へのEDI横展開は順調に進捗しており、当社のインフラ基盤の維持・強化に寄与しています。今後はこうした実績を踏まえ、日用品と親和性が高く、生活者の「ウェルビーイング(精神的豊かさ)」につながる園芸・家庭菜園分野など、不況下でも底堅い需要が見込める新たな市場への展開も視野に入れ、新規開拓を推し進めてまいります。
 基幹EDIデータの深掘り戦略「未利用のEDIデータの利用推進」においては、販売データの利用が計画通りに推移し、販売レポートの利用拡大はすでに年間計画を上回るなど、厳しい事業環境下でも確かな手応えを得ています。「請求鑑データ」の利用企業数も安定稼働フェーズに入りました。今後は、さらに業界ニーズに即した新たなデータ活用の可能性を模索し、次なる成長への道を拓いてまいります。

■ 対象領域の拡大
 「物流領域」におけるロジスティクスEDIの利用も着実に拡大しています。個別の企業だけでは解決が難しい物流課題に対し、当社は業界団体と連携して利用推進を図っています。 具体的には、日用品・化粧品業界において「日用品サプライチェーン協議会」および「全国化粧品日用品卸連合会」と連携し、先行企業との成功事例を業界内で共有することで、未利用企業への導入を推進しています。 また、ペットフード・用品業界での取り組みも加速させており、「(一社)全国ペットフード・用品卸商協会」と協働して、出荷予定(ASN)データ等の業界標準化に向けた導入推進を強化し、接続企業数のさらなる拡大を目指しています。 今後も業界団体との連携を深め、物流現場の生産性向上という社会課題の解決に貢献してまいります。

■ サービスの創出
 データ交換前後の業務プロセスをワークフロー化して効率化を図る「返品ワークフローシステム・サービス」が導入企業で稼働を始めました。引き続き、業界の業務全体の効率化・⽣産性向上に資する重要なサービスとして、候補企業に対して粘り強く提案を進めていきます。

 さらに、株式会社あらた、株式会社PALTACとともに設立した商品情報を一元管理する新会社「株式会社プロダクト・レジストリ・サービス(以下、PRS)」が、2026年4月より事業を開始いたします。ECの拡大や物流現場でのAI・ロボット活用に伴い、正確なデジタル商品情報の重要性が高まる一方で、得意先ごとに異なる形式での情報登録業務は、メーカーの大きな負担となっています。この課題を解決すべく、中立的な立場でデータベースを運用してきた当社のノウハウと、大手卸売業2社が持つ化粧品・日用品流通における強固な流通基盤を活かし、新たな「業界インフラ」となる商品データベースの構築を進めます。新会社の目指す姿は、商品登録窓口を一本化して高精度な「業界標準マスタ」を構築し、メーカーの負担を大幅に軽減するとともに、小売店やEC向けに網羅性の高い情報をワンストップで提供することです。これにより、倉庫現場での物流効率化や店頭での販促支援など、効率向上からトップライン(売上)の最大化まで、業界の持続的な発展に貢献する情報インフラとなります。プラネットがEDIのハブであるように、PRSは商品情報のハブとして機能します。また、経済産業省やGS1 Japanとの連携を通じて、産業横断的な商品情報の標準化にも寄与してまいります。本事業は、従来の商流の効率化にとどまらない、当社の次なる成長への重要な足掛かりです。これまで培ってきたノウハウを新会社に最大限提供し、まずはユーザー数の確実な拡大を図りながら、中長期的な視点で新たな安定収益基盤へと育ててまいります。

 11月に開催した「プラネット ユーザー会2025」には、220社・403名もの皆様にご参加いただきました。当日は、出荷予定(ASN)データを活用した荷役時間短縮の先進事例の共有や、新会社による商品情報の一元化構想などを紹介し、次世代の業界標準普及に向けた有意義な情報交換の場となりました。当社は情報インフラを担う立場として、当社からの一方的な発信にとどまらず、対面での意見交換から得られる「お客様の声」をこれまで以上に重視してまいります。今後も双方向のコミュニケーションを通じて企業の枠を越えた信頼関係を深め、お客様と足並みを揃えて業界全体の課題解決に取り組んでまいります。

  
株主・投資家の皆様へ
 既存の主力業界における基幹EDIの利用データ量は成熟・飽和傾向にあるものの、業界インフラ基盤としての重要性は変わらず、新たな視点から展開している活動は計画以上の成長を見せています。今後も基幹EDIの維持・強化を図る方針に変わりはありません。一方で、AIやロボットが活躍し、ECが生活に浸透した現在、商品情報の「質」と「量」を充実させ、サプライチェーン全体でスムーズに共有するための「データの価値化」と「高度な情報インフラの構築」が急務となっています。 その実現に向け、EDIによる業務効率化にとどまらず、企業や情報を「つなぎ」、流通を「ととのえ」、未来をきり「ひらく」存在として、データの価値を高め、流通の高度化を支える業界インフラ企業を目指します。物流問題を始めとする業界全体の課題をデータとシステムで解決する責任を果たしつつ、生活者の豊かな暮らしを支える「インフラ×ソリューションプロバイダー」へと進化してまいります。 変化の激しい時代においても、業界インフラとしての揺るぎない信頼を第一としながら、様々な変化を好機と捉えます。新サービスの事業化プロセスを加速させるため、自社内の取り組みに加え、M&Aや社外の専門家・支援者を巻き込む多方面からのアプローチにより開発体制を強化し、飛躍的な成長に向けた仕掛けにも果敢に挑戦してまいります。
 株主の皆様への利益還元につきましては、持続的な配当成長にご期待いただくことが当社らしい還元であるとの考えから、DOE(純資産配当率)を目安とした安定的な配当の継続を掲げています。当社のROICは株主資本コストを上回る水準を維持しており、すでに十分な資本効率の高さを実現しておりますが、さらなる資本効率の向上と事業成長の両面から、今後も企業価値を高めてまいります。 株主の皆様におかれましては、今後とも中長期的な視点でのご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。