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トップメッセージ

基幹EDIのデータ量微減が継続
次の時代に向けた事業モデルの進化へ
 円安やインフレ、社会保険料負担の増加等により実質賃金の上昇が一部にとどまる中、消費の二極化がこれまで以上に定着しています。市場では、日常の利便性向上や生活の快適さを求める「高付加価値商品」の需要が伸びる一方で、低価格帯のプライベートブランド(PB)商品も支持を集めています。メーカー各社におかれましては、原材料価格の高騰や物流費上昇への対応として、間接費削減や高付加価値商品へのシフトを進めるとともに、商品アイテム数(SKU)の削減や商品の大容量化を進める取り組みが常態化しています。さらに物流効率化を目的に、卸売業から小売業への納品頻度を削減する動きも継続しています。
 当社の基幹EDIサービスは、商品の流通に伴って発生するデータ量を収益の基盤としており、SKUの削減や納品回数の減少が、当社が取り扱うデータ量の減少につながり、業績に直接影響を与えています。マクロ環境の変化に伴う構造的なデータ量微減トレンドは今後も継続すると見込んでいます。
 日本社会全体で見れば、必要以上に頻繁な配送を減らし、過剰在庫や廃棄を抑え、サプライチェーン全体を適正化する物流・流通の効率化は望ましい方向性です。当社としては、この構造的変化を客観的に受け止めた上で、これまでの堅実な事業基盤をさらに発展させ、データの従量課金に留まらない新たな収益モデルの構築や高付加価値サービスの提供を通じ、次の時代に向けた事業構造の多角化を推進する重要な機会であると位置付けています。
  
基幹EDIの「横展開×深掘り」により
新規ユーザー数と販売レポートの着実な伸長
 基幹EDIの利用企業数は、着実に広がりを見せています。第41期は新規メーカー獲得数が期首計画を上回りました。既存市場と親和性の高い隣接カテゴリにおけるメーカー数の増加が全体の拡大を牽引するなど、ペットフード・用品業界や園芸業界など隣接領域への横展開が着実に進んでおります。
 あわせて、既存データの「深掘り(高付加価値化)」として展開している販売レポートサービスが好調に推移しており、期首計画を上回るペースで利用が拡大いたしました。利用方法や導入効果を紹介する動画を作成するなど、販売レポートサービスの価値を丁寧に伝えたことが伸長につながり、既存サービスの価値を磨き直すことによる確かな成長の手応えを得ております。
  
物流領域はASNデータ活用を軸に展開
メーカー・卸売業に加え、物流事業者へ接点を拡大
 ロジスティクスEDIは、複数企業間での調整や各社のシステム改修・業務ルールの変更が必要であり、導入までの期間が長期化しているものの、第41期もデータ量・接続本数・利用企業数ともに伸長いたしました。物流効率化法の施行後、現場では単独導入しやすい施策が優先される傾向にありますが、卸売業側ではASN(出荷予定)データの活用理解が進み、対応拠点数も着実に拡大しております。さらに、これまで直接の接点が少なかった物流事業者においても、実際にサービス利用が始まるなど具体的な関心の高まりが見られ始めております。商流中心の当社のネットワークが物流現場へ広がることで、業界共通の課題解決に貢献してまいりたいと考えております。
  
返品ワークフローは「成功モデル」の確立へ
PRS-DBの着実な立ち上がり
 返品業務の効率化につながる返品ワークフローシステム・サービスにつきましては、先行導入企業において安定稼働を確立しております。第42期は特定拠点において作業工数の削減効果を数値で示せる「成功モデル」を確立し、他拠点・他企業への展開につなげていく方針です。
 一方、2026年4月にサービスを開始した株式会社プロダクト・レジストリ・サービスのデータベースサービス(以下、PRS-DB)につきましては、大手メーカーを中心に登録が進んでおり、登録SKU数は11万点を超えるなど概ね計画通りの立ち上がりとなっております。現在は小売業に対してもPRS-DBの有効性を訴求し、メーカー・卸売業・小売業が正確な商品情報を共有する環境の早期実現を目指します。
  
業界共通の課題を解決する会社へ
 当社は中立的な立場から標準化されたサービスを「広く遍く」提供する情報インフラ企業として、主力の基幹EDIサービスという重要な社会的役割を着実に果たしてまいりました。今後もこの安定的なインフラ基盤を強固に維持・提供し続けるとともに、業界が抱える共通課題を見つけ、解決するサービスを提供していくことも当社の重要な使命であると考えております。
 当社が目指すのは、個別企業のニーズに応じた個別開発(SIer)ではなく、業界の多くの企業が一同に利用できる標準的なサービスやソリューションの提供です。
 この変革を推進するため、必要に応じて外部パートナーとの連携なども活用しながら、新たなサービスをより速く生み出せる体制の構築を目指します。その一環で、個人の「成長」に加え、その成長を実際の成果や会社への貢献に結び付けることを明確に評価・処遇する人事制度へと見直しを行いました。新規事業の探索におきましても、複数部署が初期段階から参加する組織横断的な検討体制を構築し、外部専門家や生成AIの活用を通じて柔軟なアイデア創出と絞り込みを繰り返しながら、従来の思考の延長線上にはない可能性を探る取り組みを進めております。
  
株主・投資家の皆様へ
 第42期の業績見通しにつきましては、引き続き基幹EDIのデータ量微減トレンドを見込む一方、これまでの取り組みの積み上げにより売上高3,195百万円(対第41期比+1.5%)と増収を目指す計画です。
 現在の事業環境は決して楽観できるものではありませんが、環境の大きな変化を自ら変わる好機と捉え、「インフラ×ソリューションプロバイダー」への進化を推し進めます。主軸であるEDI基盤をより一層盤石なものへと磨き上げるとともに、高付加価値な新サービスやソリューションによる収益を着実に上乗せしていく事業構造を確立することこそが、持続的な企業価値向上につながるものと考えております。
 株主還元につきましては、安定配当を継続する姿勢に変わりはございません。業績の成長に比例した増配を続けられる収益基盤をより強固なものとし、適正な配当水準を維持しながら邁進してまいります。過渡期にある当社に対し、引き続き中長期的な視点でのご支援を賜りますようお願い申し上げます。