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プラネットユーザー会2019

抄 録
「流通の次世代を語る会」のご報告

未来の店舗(2班)

野村 有広
ライオン株式会社

店舗がコミュニティを取り込み人と人をつなぐ「快場(かいば)」を形成

 高齢化が進んだ未来には、単身世帯や買物弱者の増加、介護問題への対策のため、店舗と居住空間、娯楽施設、医療機関などが一体化した快適なコミュニティ=「快場」が形成される。未来はテクノロジーによる省人化が進むが、快場では趣味・嗜好が合う人が集まって様々な活動を楽しむことができる。
 快場は地域特性に応じて多様な形態をとる。都市ではマンション、ビルの空きスペースを利用し、上層部が居住エリア、中・下層部が娯楽施設、最下層部が店舗や医療機関、地下が在庫エリアになる。狭い行動範囲ですべてが揃い、単身者でも住みやすい。郊外では役割を終えた公共施設などを再開発して広々とした快場が形成される。アウトドアなどの趣味に特化した快場もある。生活者は自分のライフスタイルに合った快場を選ぶことができる。

個人の購買履歴と生活・健康情報から最適なライフスタイルを提案

 快場内の店舗では住人がコンシェルジュを務め、会話を楽しみながら買物ができる。ほかの快場の店舗にはネットによる注文・配送も可能だが、商品を受け取りに行くついでに交流や活動を楽しんでもいい。
 快場の形成でマーケティングも変化する。コミュニティそのもののペルソナ分析や個人別の購買行動の分析、個人のニーズを意識した新ブランドの提案が求められ、コミュニティスペースでは体験イベント・実演販売などが可能になる。メーカーは間接的だった生活者へのアプローチが直接的になり、一人ひとりに合わせた商品づくりができる。卸売業は快場内の商品・個人の情報を持つプラットフォーマーとなり、ブランドチェンジ提案などを主導する。生活者の購買履歴は生活習慣や健康状態の情報とともに一元管理され、個々人に合ったライフスタイルが提案される。美と健康、衣食住の機能がそろい、ふれあいもあるコミュニティで健康寿命を伸ばすことができる。