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プラネットユーザー会2019

抄 録
「流通の次世代を語る会」のご報告

未来の在庫管理(2班)

大原 康一
株式会社あらた

小売業を軸としたPOSから生活者を軸としたPOCへシフト

 未来の生活では、生活者の購買情報だけでなく、いつ開けたのか、誰がどのくらい使っているのかといった宅内の利用者や在庫情報、満足感までも把握できるようになる。これにより、小売業を軸とした現在のPOS(販売時点情報)に代わって、生活者を軸としたPOC(POINT OF CONSUME=消費時点情報)がマーケティングや在庫管理に活用されるようになる。
 現在のPOSデータでは消費者の個別識別ができないため、商品を誰がどう使い、どの程度満足しているか把握できないが、POCを使った「未来マーケティング」においては、満足度が高ければリピートを促し、低ければブランドチェンジを提案するといったアプローチが可能になる。

超高精度の需要予測で無駄を解消、流通・環境・生活者の「三方よし」が実現

 物流面では、現在は需要予測の精度が低いために、製配販の各段階で在庫の過不足や非効率な業務が発生しており、生活者にとっても欲しい商品が欲しい場所・タイミングで手に入らず、物流の無駄がコストとして価格に転嫁されている。しかし、POCと未来マーケティングにより超高精度な需要予測が可能になることで、これらの課題が解消される。
 未来には消費の数量だけでなく在庫の場所、次の購買のタイミングが正確に予測・把握できるため、生産・販売計画の無駄がなくなり、地域ごとの在庫が適切な量・タイミングで図れるようになる。配送の最適化・平準化からコストダウンも推進でき、結果として返品や廃棄もほぼゼロになる。
 メーカー・卸売業・小売業は従来よりも正確な在庫管理を容易に行うことができ、生活者も地域在庫の適正化によって受け取り方法の多様化などのメリットが受けられる。また、廃棄が減ることで環境負荷も低減される。したがって、次世代は流通・環境・生活者の「三方よし」になる。