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©国立西洋美術館

実業家の夢が形に 巨匠が手掛けた美術館
 モネやルノワール、ロダン――。東京・上野の国立西洋美術館には、名だたる芸術家たちの作品が並びます。実は、それらが日本で公開されるまでには波乱に満ちた物語がありました。
 20世紀前半、実業家・松方幸次郎は、日本の若い画家たちに本物の西洋美術を見せようと、私財を投じてヨーロッパで数多くの作品を買い集めます。ところが世界恐慌によってコレクションは散逸し、フランスに残された作品も接収されてしまいました。
 戦後、日仏間の交渉により作品の寄贈返還が決まると、美術館を創設することが条件とされます。そこで設計を託されたのが、フランスの著名建築家ル・コルビュジエです。そして1959年、「松方コレクション」を核とした国立西洋美術館が誕生しました。
 彼の設計思想は20世紀の建築に大きな影響を与えました。その価値が評価され、国立西洋美術館は、日本を含む7か国に残るル・コルビュジエ作品群の一つとして世界遺産に登録されています。秋、美しい紅葉に彩られた上野の森で、名画とともに建物にもぜひ目を向けてみてください。

基本情報
■分類:文化遺産 ■登録年:2016年 ■「国立西洋美術館」所在地:東京都台東区上野公園7-7 
■開館時間:9:30 ~ 17:30(金・土曜日9:30 ~ 20:00)※入館は閉館の30分前まで 
■休館日:月曜日(祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始
 
■最新の情報、アクセスは、国立西洋美術館公式サイト(https://www.nmwa.go.jp/)でご確認ください。
■参考情報 構成資産について:文化遺産オンラインhttps://online.bunka.go.jp/special_content/hlinkG

監修・文 本田陽子
世界遺産ライター・解説者。60か国、200か所の世界遺産を訪問。世界中の文化や自然に触れた経験をもとに、各地の魅力や最新情報を伝えている。「絵本のようにめくる世界遺産の物語」(昭文社)監修、NHK出演など。