データ整形の手間を省き
分析・活用を促進
セールス&サービス推進ユニット
左より橘 正剛、今井 正宏、志賀野 芳宏
メーカー各社で商談などに活用されている小売業のPOSデータは、データ整形作業がネックとなり活用が進んでいない現状があります。こうした課題を受け、株式会社True Dataの協力を得て開発した「POSデータクレンジングサービス」は、企業ごとに形式やレイアウトが異なるPOSデータを共通レイアウトに変換することで分析をしやすくします。その特長や活用事例を4回にわたりご紹介します。
形式の異なるPOSデータを共通レイアウトに自動変換
POSデータクレンジングサービスは、小売業ごとに形式やレイアウトが異なるデータを簡単な操作で共通レイアウトに自動変換するクラウドサービスです(図表1)。クレンジングされたPOSデータには、共通の商品・店舗マスタと各メーカー個別の商品・店舗マスタから必要な情報が付加されます。
共通商品マスタはTrue
Dataが独自で運用している分類・商品マスタを使い、日々自動更新されます。これにより、季節ごとの新商品や頻繁な商品改廃に対応できるほか、4階層のカテゴリ情報や詳細な商品名等が付加され、例えばシャンプーであれば形状や容量別などの細かい分析も可能になります。また、POSデータに他社商品が入っている場合でもどのメーカーの商品かが分かり、その情報も自動でメンテナンスされていきます。
共通店舗マスタはプラネットの取引先データベース(全国
49万件の小売業店舗、卸売業拠点情報を搭載したデータベース)を用い、高い照合率で「標準取引先コード」が付加されるため、POSデータの「店舗コード」と「標準取引先コード」が紐付き、店舗を軸とした各種データの取り扱いが可能になります。また、新規出店や移転・閉店などが多い店舗情報も簡単にメンテナンス処理することができます。
これらの機能によってデータ整備の作業負荷が大きく軽減することで、積極的なデータ活用や分析力の向上が期待できます。
業務の属人化を回避し 「経営の意思決定」にも貢献
個人の労力や経験に依存することなく業務を標準化できることも本サービスの価値といえます。メーカーの営業担当者が各自で整理・分析していたデータを統一的、全社的に管理しやすくなり、決まった担当者しか作業できない「属人化」の回避にも有効です。
また、図表2のように、販売データ(配荷)とPOSデータ(消化)を連携させて流通在庫(小売PSI
※)を把握することで、生産計画や販売計画の修正などの「経営の意思決定」にも役立ちます。
今後は本サービスを通して返品削減やサプライチェーンの最適化を実現させることも視野に入れています。
データクレンジングはすべてクラウド上で自動処理され、当社をはじめ第三者がデータの中身を見ることはできない仕組みで、データも一定期間が経つと削除されますので、安心してご利用いただけます。
本サービスによりデータ整備という煩雑な事前作業から解放されることで、POSデータの取得頻度を上げ、最新のデータを使った分析や戦略立案をスピーディーに行うことができます。また、これまで以上に数多くの小売業のPOSデータ分析が可能になります。商品の在庫責任を持つSCM担当者(サプライチェーン部門)やマーケティング、営業部門の担当者、流通全体で在庫金額リスクがある経営者(経営陣)にぜひご活用いただきたいサービスです。
※Purchase(購入)、Sales(販売)、Inventory(在庫)
POS データクレンジングサービス導入の効果
■共通レイアウトに変換でき、データ活用がスムーズに
■マスタメンテナンス業務を大幅に削減
■販売データとPOS データを連携し在庫を見える化
■システム担当者が不在でも簡単に利用可能
第1回ではPOSデータクレンジングサービスの概要や特長をご説明させていただきました。次回からは、企業の様々な部門における本サービスとPOSデータの活用事例をご紹介します。
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- 株式会社プラネット セールス&サービス推進ユニット
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