「空気をかえる」商品を幅広く販売 在宅増でニーズが伸びたカテゴリーも
当社は「空気」を軸とした商品を扱っており、「空気をかえよう」をコーポレートスローガンに掲げています。たとえば消臭芳香剤はお部屋の空気、防虫剤はクローゼットや衣装ケースの中の空気など、生活の空気をかえることでお客様の暮らしを明るく元気にすることを目指しています。コロナ禍では在宅時間が増えて自宅を快適にしたいというお客様の意識が高まったことにより、消臭芳香剤や防虫剤、冷蔵庫用脱臭剤などの需要が伸びるきっかけにもなりました。一方、外出機会が減ったことで車用の消臭芳香剤など販売がやや低迷した商品もありましたが、直近では回復してきています。(マーケティング企画本部 マーケティングコミュニケーション部 広報・宣伝チーム 加藤 奈央氏)
2万件のうち15%を占める商品取扱店舗の問い合わせに対応
お客様相談室には、電話やメールで年間約2万件の問い合わせがあり、そのうち15%にあたる3千件ほどは「商品がどこに売っているか知りたい」というものです。また、SNSなどでも「この商品が買いたいのに見つからない」という声が多く見られます。お客様にとって電話などで問い合わせをすることは手間がかかり、窓口の受付時間も平日の日中に限られています。そこで、お客様自身で24時間365日、手軽に調べられる「取扱店舗検索サービス」の提供を昨年12月に開始しました。お客様の利便性向上や購入機会の創出につながることに加えて、お客様相談室としても、取扱店舗に関する問い合わせが減ることで他の問い合わせに今まで以上に注力し、対応を向上させることができます。実際に検索サービスのリリース後、ご購入希望の電話やメール数は減少傾向にあります。(カスタマーファースト推進本部 お客様相談室室長 野口 優氏)
プラネットの「販売データ」を お客様の利便性向上に有効活用
プラネットの「販売データ」※は、何月何日に、どの店舗にどの商品がいくつ配荷されたかが分かり、以前から営業部門も含めて社内で活用していました。お客様からの問い合わせ対応の際には、社内用にデータベース化したものをもとに、お客様が購入したい地域をうかがって近くの販売店をご案内しています。「取扱店舗検索サービス」は、そこから公開可能な情報を抽出して構築しました。(カスタマーファースト推進本部 お客様相談室 鹿熊 結氏)
検索サービスには、許諾をいただいた販売店のみを掲載しています。お客様が来店された時に在庫がなかった場合、トラブルが発生する可能性を考慮して掲載をためらわれる販売店もあるようです。当社ではまだそうした事例は報告されておらず、送客効果などのメリットもありますので、より多くの販売店のご理解をいただき、検索をされるお客様の利便性をさらに高めていきたいと考えています。(野口氏)
※卸売業が小売業に商品を販売した実績をメーカーに毎日送信するデータ
「取扱店舗検索サービス」画面
製品名・ブランド名などのキーワードや、カテゴリー一覧から検索できる。各製品のページから検索することも可能。取扱店は地図上に表示され、ピンをクリックすると店舗の詳細情報が見られる
https://shoplist.st-c.co.jp
「空気をかえる」多彩な製品
玄関・リビング用 消臭力 ナノレベルの孔(あな)を持つ「ナノパウダー」が悪臭をすばやく強力に吸着する「消臭力」。香りのバリエーションが豊富で、写真は清潔感のある爽やかな「せっけん」と、フレグランスオイルを配合した香水調の「アーバンロマンス」
ムシューダ クローゼット用 衣類を虫やカビから守る防虫剤「ムシューダ」には「引き出し・衣装ケース用」「ウォークインクローゼット専用」などの用途、「フローラル」「ソープ」などの香りによって多彩な種類がある。写真はクローゼット用の無香タイプ
脱臭炭 冷蔵庫用 独自のゼリー状の炭(備長炭+活性炭)で強力脱臭する「脱臭炭」。コロナ禍の在宅時間の増加で特にニーズが伸びた商品の一つ。「冷凍室用」「野菜室用」「下駄箱用」「クルマのシート下専用」など、用途に応じたラインナップがある
データ収集で潜在ニーズを把握 若い世代の購買行動にマッチ
ホームページでは、製品サイトのトップや個別製品ページのほか、お客様相談のページからも検索サービスにアクセスできます。お客様が見つけやすいよう、掲載場所にもこだわりました。(加藤氏)
このサービスでは、どの時間帯に、どのエリアで、どのような商品やキーワードが検索されているかのデータが集まります。新商品や人気商品だけではなく、廃番商品がキーワード検索されているなど、潜在ニーズを把握するきっかけにもなっています。
思った以上に検索数が多かった商品に「消臭力 トイレ用 携帯タイプ」があります。ユーザーには若い女性が多いのですが、SNSなどで話題になっているのを見てスマホで検索し、近くの店を訪れているパターンが多いのではないかと考えています。(鹿熊氏)
電話で問い合わせをされるお客様は、比較的高齢の方が中心です。当社には20~40代がメインターゲットの商品もあり、特に若い方にとって「取扱店舗検索サービス」は便利なのではないでしょうか。(野口氏)
認知度向上策を推進 マーケティングツールとしても活用
今後の課題としては、まずはより多くの方に「取扱店舗検索サービス」を認知していただくことが目標です。問い合わせがあった場合は、これまで通りに対応すると同時に、検索サービスの利用方法をお知らせします。メールでの問い合わせの場合は返信にリンクを張って「次回はぜひご利用ください」とご案内しています。(鹿熊氏)
お客様の動向が見える特性を生かし、プロモーションを行ったりメディアで取り上げられたりした商品がどれくらい検索されているか反応を見るといった社内での活用法も想定しています。お客様サポートを充実させる手段として、またマーケティングツールとしても、今後さらに活用を進めたいと考えています。(野口氏)
- 企業名
- エステー株式会社
- 設 立
- 1948年(昭和23年)
- 本社所在地
- 東京都新宿区下落合1-4-10 TEL.03-3367-6111
- 代表者
- 上月 洋
- 事業内容
- 消臭芳香剤、脱臭剤、防虫剤、除湿剤、家庭用手袋等の製造・販売
- ホームページ
- https://www.st-c.co.jp/