GS1 Japanは、国際的な流通情報システムの標準化推進機関GS1(本部 ベルギー・ブリュッセル)に加盟し、日本ではJANコードとして知られる商品識別コードGTIN※の付与管理やデータベースサービスなどを提供している公益法人です。
　商品情報レジストリーは、GTINを付与されたメーカーなどが商品基本情報を登録するGS1 Japanデータバンク(以下、GJDB)内に構築されます。JIIの酒類・⾷品業界を中⼼とする商品情報データと、当社の日用品、化粧品、ペットフード・ペット用品業界などの商品情報が連携され、食品・非食品の詳細な商品情報約290万件がGJDBを通じて入手可能になり、業界の垣根を越えた国内最大の商品情報レジストリーが誕生します(図表参照)。
　「⾷品を主⼒とする⼩売業の⽅もGJDBを通して当社のデータベースへのアクセスが容易になり、幅広い商品情報を取得できるようになります。そうなりますと、まだデータベースに商品を登録していないメーカーに興味を持っていただけると思います」(田上)
　ヨーロッパの国々では、各国のGS1が産業界全体で利用できるデータベースを構築・運用し、メーカーが商品情報を直接登録しています。実績のある民間のデータベース事業者と共同で運用しているケースもあります。
　日本でもGS1 Japanが主体になることで、GTINの付与を通してつながりのあるメーカーなどがGJDBに商品情報を積極的に登録し、早期に産業界全体をカバーするデータベースになると考えられます。
※GTIN（Global Trade Item Number）：商品・サービスに対して設定するGS1標準の商品識別コード。JANコードもその一つ 　

　「GJDBと連携できるのは、メーカーなどが直接データを登録し、GS1が規定する標準項目がすべて網羅されているデータベース事業者だけであり、今のところJIIとプラネットの2社が先⾏して協⼒しています。当社が産業界全体で利用できる公益性の高いデータベース事業の一翼を担うことができたのも、長年にわたって精度の高い商品情報の蓄積にご尽力いただいたメーカー様、卸売業様のおかげです」(田上)
　今後は連携する3者で、他業界の商品情報データベース事業者や企業にも協力を呼びかけ、商品基本情報の網羅率を上げていくことを目指しています。また、商品情報レジストリーにより詳細な情報へのリンク先を明示することで、業界特有の情報が必要な企業に対しては商品情報レジストリー経由で提供できる仕組みなどを検討し、この事業のさらなる充実と拡大を図っていきます。