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VANVAN topics

インバウンド本格再開

「インバウンド消費を拡大させる
意識と行動2022」を読み解く

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、5月8日から「5類※」に移行し、入国制限はほぼコロナ禍前の状態に戻りました。コロナ禍の約3年で消滅したインバウンドの本格的な再開に向け、プラネットは昨年12月に「インバウンド消費を拡大させる意識と行動2022」を発行しました。中国(沿岸部・内陸部)と東南アジア5か国を対象にした本レポートのポイントをご紹介します。
※5類(感染症):国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民一般や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・まん延を防止すべき感染症


ー 私がご紹介します ー

顧 維維
イノベーション推進部

高い訪日意向 「買物に使う金額を増やしたい」

 今回のレポートでは、2019年における訪日人数、訪日時の消費金額が多かった国の中から、中国(沿岸部・内陸部)、東南アジアはタイ、マレーシア、ベトナム、インドネシア、フィリピンの5か国をピックアップ。2017年1月~20年1月の間に1回以上訪日経験のある人を対象に、日常生活の変化、日本製品の購入・利用状況、訪日の意向、買物への意識等を調査しました。
 訪日意向についてはどの国もポジティブな反応で、全体では「是非、日本を訪問したい」(70.5%)、「状況をよくみて、日本を訪問するかどうか判断したい」(25.4%)を合わせると95%以上に上りました(図表1)。
 また、次の訪日時に買物で使う金額については、これまでの訪日時に比べて「大幅に増やしたい」(32.2%)、「少し増やしたい」(41.8%)を合わせて全体で70%を超え、消費意欲も高いことが分かりました(図表2)。



化粧品は“日本製"に根強い支持 東南アジアは「食品」がトップ3に

 訪日時にしたいこととして、買物は、有名な観光スポット巡りやレジャー、食文化の体験と同じくらい高い関心を持たれていますが、「今後、日本に行って購入したい商品」では、興味深い結果が出ました(図表3)。中国では「化粧品」「日用品」「医薬品」がトップ3ですが、東南アジアでは全ての国で「化粧品」と「食品」がトップ3にランクイン。その他は、タイとインドネシアは「菓子・飲料」、マレーシアは「日用品」、ベトナムは「医薬品」、フィリピンは「衛生用品」が3位以内に入り、国ごとに違いが見られました。
 「化粧品」は全ての国で3位以内に入っていますが、図表4を見ると、中国、マレーシア、ベトナム、フィリピンでは国内や欧米を抑えて日本の製品がトップとなっており、日本製化粧品の人気が高いことが分かります。化粧品の中でも特にスキンケア製品は、日本製の高い品質、安全性などがこれまでも評価されており、そのことを裏付ける結果と言えそうです。
 日本製品への人気は、「爆買い」が話題となった2015年頃の電化製品から現在は化粧品、食品などに移り変わっています。訪日外国人の価値観は変化を続けており、国ごとの特徴を把握しながら商品の魅力をアピールすることが重要です。
 コロナ禍に入った2020年以降は、日本に興味を持つ外国人に向けた新商品のPR不足がありました。インバウンドの本格的な再開に向け、しっかりとした情報発信が期待されます。



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