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意識調査 Fromプラネット

2017.11.28
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日用雑貨・化粧品

Vol.74 高価格帯日用品に関する意識調査

リッチなとき“高め”を買う男性、“高め”を買って“リッチ”を味わう女性
~高いだけのことはある? 「高価格帯日用品」を買った人は“満足度”も高い~

  国内1,200社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は、日用品にまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第74号として、高価格帯日用品に関する意識調査の結果をご紹介します。   バックナンバー https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html

高齢層ほどメーカー・ブランド志向、若者が重視するのは?

 最近、ちょっと高いけれど品質がよかったり、機能や効能に付加価値があったりする、“高価格帯”の商品が注目されています。日用品で言えば、しっとり保湿力のあるティッシュペーパーや香り付きのマスクなどが挙げられます。今回は「高価格帯日用品」をテーマにアンケートを実施。日用品の購入基準や満足度、ちょっと高いものを買う理由などについてまとめました。
 始めに、ふだん日用品を買うときに重視する基準(価格以外)を日用品の種類別に聞きました。すると、いずれの日用品についても「お店で商品やpopを見て」と答えた人が最も多く、40〜50%程度となりました。商品を買うかどうかは、店で実物を手に取ったりpopを見たりして決めている人が多数派であることがわかります。
 次いで、【歯ブラシ】【歯磨き粉】【シャンプー・リンス】【マスク】【整髪料】については「効果や効能を重視して」、「メーカー・ブランド」の順に重視。【トイレットペーパー】【ボックスティッシュ】では「メーカー・ブランド」、「肌触り・テクスチャー」の順に。【柔軟剤】は「香り・におい」、「効果や効能を重視して」、【剃刀シェーバー/替刃】は「メーカー・ブランド」「効果や効能を重視して」の順でした。多少の順位の移動はあるものの、「お店で商品やpopを見て」「効果や効能を重視して」「メーカー・ブランド」の3つに回答が集中。「お店で商品やpopを見て」が50.1%と最高値だったのは【マスク】。「効果や効能を重視して」は【歯磨き粉】で38.4%と最も高くなっていました。
 さらに、【歯磨き粉】【柔軟剤】について、性年代別の傾向を見てみました。品目による違いはあると思われますが、おおむね若年層ほど「パッケージのデザイン」「口コミを参考にして」が高く、年代とともに「メーカー・ブランド」が高くなっていく傾向が見られました。年齢を重ねるにつれてメーカーやブランドに対するイメージが定着していくからかもしれません。また男女別に見ると、特に【柔軟剤】では「香り・におい」で女性の数値が42.3%と高く、男性との差が19.1ポイント。全体で1位の「お店で商品やpopを見て」を抑え、女性では1位となりました。最近は【柔軟剤】の香りの種類が豊富ですが、【柔軟剤】を購入する際、女性は第一に“香り”で商品を選んでいることが明らかになりました。


表1

ちょっと高くても、買っている商品はコレ

 次に、日用品を購入する際の買い方の傾向を日用品の種類別に聞きました。
【歯ブラシ】【歯磨き粉】【シャンプー・リンス】【柔軟剤】【剃刀シェーバー/替刃】【整髪料】については、「いつも決まったものを買う」と答えた人が最も多い結果になりました。一方、【トイレットペーパー】【ボックスティッシュ】【マスク】については、「なるべく安くて品質も悪くないものを買う」と答えた人が最も多くなりました。全体として、価格に関わらず、買うものが決まっている人が主流。次いで、ティッシュペーパーやマスクなどの使い捨ての消耗品を中心に、「なるべく安くて品質も悪くないもの」を買う傾向があるようです。
 さらに、「なるべく安くて品質も悪くないものを買う」「とにかく安いものを買う(品質は問わない)」を合わせた《安いものを買う》計と、「ちょっと高くて品質のよいものを買うことがある」「ちょっと高くて品質のよいものをよく買う」を合わせた《ちょっと高いものを買う》計を比較しました。すると、【シャンプー・リンス】【整髪料】では、《ちょっと高いものを買う》計が《安いものを買う》計を上回りました。また、《ちょっと高いものを買う》計が30.0%と最も高かったのが【歯磨き粉】、次いで【シャンプー・リンス】の29.6%、【整髪料】の27.9%でした。【歯磨き粉】【シャンプー・リンス】【整髪料】は、日用品の購入基準を聞いた最初の調査の結果(表1)で「効果や効能を重視して」の数値が高かった品目。求める効果や効能を期待して“ちょっと高いものを買う”傾向があると考えられそうです。
 反対に《安いものを買う》計が最も高いのが【ボックスティッシュ】60.3%、次いで【トイレットペーパー】57.6%、【マスク】55.1%の順。こちらは効果や効能より、値段を気にせずたくさん使えることが重視されているのかもしれません。


表2

ちょっとのぜいたくで、満足感が高まる日用品

 さらに、購入したときの《満足度》を日用品の種類別に調べ、前の調査(表2)で聞いた購入傾向別に表しました。すると、すべての品目について、「《ちょっと高いものを買う》計」での《満足度》が最も高く、次いで「いつも決まったものを買う」、「《安いものを買う》計」の順になりました。これまでの調査で、日用品の購入基準や購入傾向には品目によるばらつきが見られましたが、《満足度》については、いずれの品目でも“ちょっと高いもの”を買ったときに最も高く、“安いもの”を買ったときの《満足度》は低くなっていることがわかります。表2の調査結果で《安いものを買う》傾向が高めだった【トイレットペーパー】や【ボックスティッシュ】についても、“ちょっと高いもの”を買ったときの《満足度》は50%を超えていました。
 「いつも決まったものを買う」のはその商品に満足しているからだと考えられますが、それよりも、“ちょっと高いもの”を買ったときのほうが満足感を得ている人が多いこともわかり、興味深い結果です。
 “ちょっと高いもの”を買ったときの《満足度》が最も高かったのは【剃刀シェーバー/替刃】59.7%、次いで【歯ブラシ】58.5%、【シャンプー・リンス】57.9%の順でした。いずれにしても、より高い満足感を得るためにかかった費用は数百円程度。日用品ではちょっとしたぜいたくで、より高い満足感が得られると言えそうです。


表3

「高価格帯日用品」を買う機会は減った? 増えた?

 前の調査では、どんなアイテムでも“ちょっと高いもの”を買ったときには満足度がいつもより高いことがわかりました。そんな「高価格帯日用品」を買う機会が以前に比べて増えているかどうかを聞きました(表4)。すると、「あまり変わらない」が53.3%と半数を占め、「とても増えた」「ちょっと増えた」を合わせた“増えた”計が11.2%、「ちょっと減った」「とても減った」を合わせた“減った”計が16.8%。“減った”が“増えた”を上回っているものの、二極化の傾向がうかがえました。
 男女別に見ると、女性の“増えた”は男性を大きく上回り、男性では8.6%であるのに対し、女性では14.8%。その差は6.2ポイントになりました。さらに性年代別に見ると、男性の30代と女性の20代では、“減った”より“増えた”が高く、特に20代女性の“増えた”は27.0%と4人に1人以上。一方、男性では60代、女性では50代で、“増えた”が最も低くなっていました。「高価格帯日用品」は、男性より女性で、また若年層で関心が高まっていることがうかがえます。


表4

女性は“ちょっと”で“リッチ”になっている

 「高価格帯日用品」の購入機会が増えた人に、その理由を聞きました(表5)。すると、1位は「いいものには高いお金を払ってもいいと思うようになってきたから」49.4%、次いで、2位「付加価値が魅力的だから」40.5%、3位「高価格帯日用品にしかない効果・効能があるから」27.5%となりました。2位と3位は、機能や価値といった商品自体の魅力に関する項目ですが、1位は購入者の意識に関する項目と言えます。「高価格帯日用品」を買う機会が増えた理由の第一は、購入する消費者の意識の変化によるところが大きいようです。男女別に見ると、女性では「いいものには高いお金を払ってもいいと思うようになってきたから」が54.1%と半数を超え、男性より10.8ポイント高くなっていました。特に、日用品の買い物に対する女性の意識が変わってきているのかもしれません。
 さらに、「高価格帯日用品」を買うときの気分について聞きました(表6)。1位は「気分を上げたいとき」で24.7%、2位「自分にごほうびをあげたいと思ったとき」21.9%、3位「疲れていて、癒やされたいとき」17.6%となりました。
 男女差に注目すると、興味深い傾向が見えてきます。男性の数値が女性より最も上回っていたのが、「うれしいことがあったとき」、次いで「給料日などで財布のひもがゆるんだとき」です。一方、女性のほうが男性より高くなっていたのが、「リッチな気分を味わいたいとき」と「気分を上げたいとき」。つまり、男性は「給料日」などで懐に余裕ができたときに“ちょっと高いもの”に手を伸ばす傾向があり、女性は“ちょっと高いもの”を買うことで「リッチな気分」を手に入れようとしていると考えられます。男性はお金があるときに買い物をし、女性は買い物をすることで“お金がある”気分を味わう。男性にとっての買い物と女性にとっての買い物は意味が違うようです。


表5 表6

値段に見合った価値がある! “高め”だけれど満足した日用品のエピソード

【歯ブラシ】
● 歯周病用の超柔らか歯ブラシ。歯ぐきが痛くなくなった。長もちする。(男性・30代)
● ブラシの密度が高い歯ブラシは、従来のものよりも時間をかけずに歯がつるつるになった。(女性・40代)
● 幅広でブラシの中にスポンジの入っている歯ブラシを使っていますが、食べかすをきれいにして、歯間も歯も磨かれている感じがしていいです。(女性・50代)
【歯磨き粉】
● 歯を白くする歯磨き粉。2000円弱ほどしたが、前歯についていたステインがきれいに落ちた。(女性・30代)
● 研磨材なしのジェル状の歯磨き粉。歯磨き中に歯ぐきから出血しなくなった。(女性・40代)
● 知覚過敏用の歯磨き粉。本当にしみなくなった。かなり高価だけれど買い続けている。(女性・50代)
● 歯周病になりにくい歯磨き粉。980円で高いけれど、ほかの商品を買って使っても物足りない。(女性・60代)
【シャンプー・リンス】
● 頭皮の脂分を除去するシャンプーとリンス。特に夏場の頭皮のにおいが気にならなくなった。(男性・40代)
● フケやかゆみによく効く薬用シャンプー。高いけれど、効果抜群。(男性・40代)
● 美容室で勧められて購入したシャンプーとトリートメント。高いですが、それだけの価値があるのか、本当に髪がきれいになって満足です。(女性・40代)
● 自然由来の成分のシャンプー。高かったけれど、髪の毛のぱさぱさ感がなくなりました。(女性・50代)
【トイレットペーパー・ボックスティッシュ】
● 保湿成分入りのティッシュペーパー。花粉症やかぜのときはもちろん、メイクのときにも柔らかく肌にやさしいので、手放せない商品になった。(女性・40代)
● トイレットペーパー。100円の差でこんなにも使い心地が違うと実感した。(男性・50代)
● びゃくだんの香りのトイレットペーパー。トイレにいい香りがして、ぜいたく感が味わえる。(女性・60代)
【柔軟剤・洗濯用洗剤・食器用洗剤】
● 柔軟剤。1000円もする柔軟剤なんてぜいたくすぎると思ったが、すばらしくいい香りで、洗剤や干し方などにも影響しない。期待以上に満足できた。(女性・40代)
● 夫の肌がデリケートで、合成洗剤で洗濯をすると全身の皮膚が赤くただれて困っていたが、皮膚科の先生の勧めでせっけん成分の洗剤に変えてからは症状が治まったので、以来ずっと利用している。(女性・50代)
● 食器用洗剤。高めだったけれど、香りがよく手肌にもやさしかった。(女性・50代)

 高めだったけれど満足した日用品について自由回答で聞くと、多数の実体験やエピソードが寄せられました。登場アイテムで多かったのは、歯ブラシに歯磨き粉、シャンプー・リンス、トイレットペーパーやボックスティッシュ、柔軟剤など。実際に“ちょっと高いもの”を買ってみて“高いだけのことはある”と、値段に見合った価値を実感している様子がうかがえました。気になるけれど買ったことはないという人、安いものしか買わないと心に決めている人も、高価格帯の日用品は一度試してみる価値がありそうです。


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