2021.04.26
株式会社プラネット
暮らし
Vol.155 家の掃除に関する意識調査
キッチンと浴室は毎日掃除、大掃除は定番の年末が主流
~汚れが気になるうえ掃除が面倒なのは、やはりあの場所~
国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット(所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第155号として、家の掃除に関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
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掃除は“まとめて”より、“定期的” “小まめ”に
「家事のなかで苦手なものは?」と聞かれたら、「掃除」と答える人は意外と多いかもしれません。片や、新型コロナウィルスの流行で在宅時間が増えたのをきっかけに、思う存分に掃除や“断捨離”をしてスッキリした、という人もいるでしょう。気温・湿度ともに高くない春は掃除にうってつけの季節ということもあり、今回は家の掃除について、頻度や汚れが気になる場所から大掃除まで、いろいろと探ってみました。
まずは、“掃除のスタイル”について聞いてみました(図表1)。最も多かったのが45.3%の人が挙げた「定期的に掃除」。これに「気づいたときや時間が空いたときに小まめに掃除」32.4%が続き、この2パターンが掃除の主流となっています。一方で、「月1回などまとめて掃除」と「日頃は軽く済ませて、大掃除で念入りに」を合わせた“まとめて派”は7.9%、「気になるところだけ掃除をして、あとは目をつぶる」も9.3%とともに少数派。「まったく/ほとんど掃除しない」は5.1%でした。
年代別では、30~50代の働き盛り世代では「定期的に掃除」が「小まめに掃除」を15~20ポイント上回るのに対し、時間的に余裕があると思われる60代以上では拮抗。“まとめて派”は30代以下が1割強と比較的多い傾向がみられました。
同居家族構成別でみると、7歳未満の乳幼児や未就学児童がいる家庭では「定期的」が6割強と突出しており、「小まめ」との合計は9割超に。小さい子どもがいると床などが汚れがちなうえ、抵抗力の面からも掃除に気を遣っている家庭が多いと思われます。一方、自身や家族にほこりや花粉などが原因の喘息やアレルギー症状がある人の掃除スタイルは、意外にも平均並みという結果でした。
4分の3が、掃除は“30分以下で”
家事は時間をかけずに済ますに越したことはなく、掃除についても同じことが言えます。そこで、日常的な掃除にどれくらいの時間をかけているのかを聞いてみました(図表2)。その結果、最も多かったのが「16〜30分」が45.6%で、「15分以下」が30.9%と続きました。実に4分の3の人が30分以下で効率的に掃除していることがわかりました。
年代別では、15分以下で手早く掃除を済ませる傾向は若年層ほど強く、20代と70代以上では約2倍の差があります。一方で、時間的な余裕を反映してか、30分以上かけて掃除をする比率は他年代より60代以上で高くなっています。
キッチンや浴室は「毎日掃除」が多数、女性に過負担も
一口に“掃除”と言っても、場所によってその頻度は異なります。そこで、場所ごとに掃除の頻度を聞いてみました(図表3)。「ほぼ毎日」掃除する人が多かったのは、キッチンの「シンク周り」「コンロ周り」と「浴室」。汚れをためてしまうと落ちづらくなる箇所という点で共通しています。また、食器洗いや調理、入浴の後などの“ついで”に掃除するのが習慣化している人が多いことも反映していそうです。
「床や畳の掃除機かけ」は「週に1~2回」が最多と、意外に少ない気もします。お掃除用のワイパーなどを併用すれば、掃除機が登場する頻度は少なくなるのかもしれませんね。「廊下、階段」も同頻度が最多なのは同じ理由といえるでしょう。ほかには、「トイレ」「洗面所」の水回りで「週1~2回」が多数派でした。
「年に1回」と「半年に1回」が1、2位と“大掃除案件”と言えるのが「換気扇、レンジフード」と「窓、網戸」。「ベランダ」は「まったくしない」が2割と最多ですが全体にばらけており、家庭によって頻度の差が大きいようです。
これらの場所を誰が掃除しているかも気になるところ。そこで、家庭内で主に掃除をしている人を男女別にまとめたのが図表4です。女性の回答を見ると、「自分」とした比率が7割以上、「自分または家族」としているものも2割前後の項目が多く、家庭内での家事分担が進んでいない現状がうかがわれます。特に、「シンク周り」や「コンロ周り」といったキッチンの掃除は女性に偏る傾向が強いようです。一方で、男女差が比較的小さいのが、“ついで掃除”が可能な「浴室」、掃除頻度は低いが労力が大きい「ベランダ」「窓、網戸」となりました。
最も汚れが気になるのは「トイレ」、掃除が面倒なのは…
家の中で汚れが気になる場所についても聞いたところ(図表5)、「トイレ」が55%と最多に。以下、キッチンの「コンロ周り」「レンジフード、換気扇周り」「シンク周り」のほか、「浴室」などの水回りが50%超に。また、「リビング」「ダイニング」といった家族が集まる場所や、外部との接点となる「窓、網戸」、汚れが目につきにくいゆえに気になるのか「照明の傘」も3割を上回りました。
これを“掃除が面倒”という観点から聞いたところ、多くの人が挙げたのが「レンジフード、換気扇」。確かに、油でベトついたレンジフードの掃除は億劫で、つい後回しにしがちですね。掃除頻度が高いのに掃除が面倒と感じる人が多いのが「トイレ」「浴室」「キッチンのコンロ周り」。金具や水栓などもあり、隅々まで掃除するには大変だと思うのでしょうか。同じ水回りでも「洗面所」は面倒と感じる人は少ないようです。「リビング」や「ダイニング」は、フローリングやクッションフロアであれば比較的掃除の手間はかからないことが反映されてか、約1割にとどまっています。
大掃除は8割が実施、時期はやっぱり「年末」
掃除といえば“大掃除”を連想する人も少なくないでしょう。新年を気持ちよく迎えるため、家族総出で掃除…というのは年末の風物詩ですが、寒い時期に窓を開け放って掃除をしたり、水を使って窓ふきなどをしたりするのは負担が大きいもの。最近はゴールデンウィークなど年末以外に大掃除をする人が増えているという話も耳にします。そこで、大掃除についても色々とたずねてみました(図表6)。
そもそも大掃除をするかどうかを聞いたところ、「毎年する」が44.9%、「する年と、しない年がある」35.4%と、合わせて8割の人が実施していると回答。「まったくしない」も2割弱ですが、こまめに掃除をしていたり、年に2~3回「中掃除」をするなど、必要がないと感じている人もいると思われます。
大掃除をする時期としては、定番の「年末(12月)」が75.5%と圧倒的多数に。次いで「年末以外の冬」が11.9%と、9割近くの人が冬に大掃除をしていました。年末以外でまとまった休みが取れる「夏季休暇中」と「ゴールデンウィーク期間中」はそれぞれ8.0%、6.4%と現状では少数派のようです。とはいえ、何かと慌ただしい年末に家中すべての箇所を完璧に掃除するのは至難の業です。最後の自由回答にあるように、水を使う窓や外周りの掃除は暖かい季節に済ませて年末は家の中を中心に掃除、あるいは年に複数回“中掃除”をする、というように、大掃除という風習は残りながらも、それぞれのライフスタイルに合わせたかたちにアレンジさせていく人が今後さらに増えていくかもしれませんね。
掃除用具の定番は「掃除機」、「雑巾」は大掃除でも活躍
次に、日常の掃除と大掃除でどんな掃除グッズを使っているかを聞きました(図表7)。その結果、最も多く使われているのが「掃除機(ロボット掃除機以外)」で、日常の掃除で81.6%、大掃除で73.8%と不動の地位に。一方、近年注目されている「ロボット掃除機」(図表非掲示)は、日常の掃除7.4%、大掃除3.5%と普及途上のようです。
「雑巾」は日常の掃除で4位と、「拭き掃除用シート」(ウェット、ドライとも)よりも上位にあるのは少し意外な印象です。「雑巾」は大掃除では2位と過半数が使っており、これに「洗剤類」や「カビ取り・カビ予防剤」「クレンザー」「クエン酸、重曹」を併用し徹底的にキレイにする! という意欲が見て取れます。
自由回答では“意外な掃除法”を紹介してくれたものもあったので、以下にまとめました。折しもゴールデンウィーク間近、大掃除を予定している方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
掃除好きな人は実は少数派…!?
最後に、家の掃除について感じることなどを教えてもらいました。多くの人が「掃除は嫌い」「仕方なくやっている」など率直な気持ちを書いてくれました。その一方で「掃除が好き!」と“きれい好き”を自負する人も。また新型コロナで在宅が増えたことをきっかけに掃除に目覚めたという声もありました。やはり掃除の基本は「気付いたらすぐやる」「先送りしない」。面倒がらず、無理のない範囲内で、時には道具・機器に頼ることも肝要でしょう。
《 家の掃除について感じることなど 》
- 【掃除…好きです!】
- ● 掃除は好きで毎日5時から7時まで集中してやっている。汚れはほとんどないが習慣になっているのでやらないと落ち着かない。(女性・60代)
- ● 掃除が趣味のようなものなので、年末の大掃除はもちろんしますが、日々汚れが気づいたときにこまめにするようにしています。最近は100円ショップのグッズをよく利用します。(女性・60代)
- ● ながら掃除が得意。料理しながらシンクやコンロを掃除、トイレに入った後軽く拭き掃除、風呂に入りながら床掃除やシャンプー台などを掃除。(女性・60代)
- 【掃除は…苦手・面倒】
- ● 基本的に掃除が嫌いなので、いつも苦痛。物を捨てるタイミングがわからなくて、片付けたつもりが移動だけした形になってしまい、尚更やる気をなくす。(女性・50代)
- ● 掃除は面倒くさくてできればやりたくないが、いったん始めるとのめりこみ、やり終わると満足感がある(男性・20代)
- ● 掃除が嫌いだから、テレワーク中の主人にやってもらえるよう仕込んでいる。(女性・50代)
- ● いつも家の中をキレイにしておきたい気持ちはあるが、掃除は嫌いだしめんどうくさい。家事代行を頼めるほど家計に余裕もない。家事代行を頼むために片付けをしないといけないような気がして本末転倒?(女性・50代)
- 【コロナ下のお掃除事情】
- ● 在宅勤務を始めてから、自分の部屋を掃除機がけする機会が増えた。同時に、不要なものを廃棄・処分するようになったためか、いつの間にか部屋のなかがすっきりしていた。(男性・30代)
- ● コロナで家にいる時間が増えてから、掃除をルーティーン化(毎週日曜一気にやるとか)することで、前ほど苦ではなくなった。
(女性・30代) - ● 家族の在宅時間が長く、リモートワークやオンライン授業などで思ったように掃除ができず困る。(女性・50代)
- 【大掃除は年末以外に!】
- ● ゴールデンウィークは気候的に窓を開けっ放して夕方までできるので、押し入れの中のものも全部出して大掃除をする。年末は水回りだけ普段の掃除より丁寧にする。(女性・50代)
- ● 大掃除の年末はやめるようにした。理由は寒く・冷たいから。気候のいい時に行うことで、より綿密にしっかりと掃除できるようになった。(男性・50代)
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「家の掃除」に関する意識調査を実施。
期間:2021年3月15日~18日、インターネットで4,000人から回答を得ています。
- ■株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/
- メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
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