商品マスタ登録支援
商品マスタ登録支援サービス活用事例
- ジャペル株式会社
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執行役員
営業本部 商品部長
山田 伸司さん営業統括本部
商品部 課長
深谷 征宏さん営業統括本部 商品部
仕入企画課 主任
菅原 和敏さん
http://www.japell.com/
(PLANETvanvan 2011年春号(vol.90) 掲載記事より)
※役職等は取材当時のものです。
ペット関連商品の専門商社として、業界を牽引するジャペル株式会社では、2009年に商品マスタ登録支援サービスを導入した。導入の背景やペット業界ならではの課題、業界全体の業務効率化を見据えた今後の展望等についてうかがった。
マスタ項目の改編に合わせてサービスを導入
1970年設立のジャペル株式会社は、ペットフードをはじめとするペット関連商品の専門商社。「ペットを通じた地域社会とのコミュニケーション」をモットーに、ペットに関わる事業を全国で多角的に展開し、ペット業界において確固たる地位を築き上げてきた。
同社では、自社内の商品マスタ項目の見直しに合わせて、2009年に商品マスタ登録支援サービスを導入した。
「ITFからGTINへの変更や、時代に応じたマスタ項目の追加・変更が必要となり、商品マスタを作り直そうとしていた時期に、プラネットの商品マスタ登録支援サービスを知りました。商品データベースを共有できるこの仕組みが普及すれば、将来的にペット業界全体の業務効率化につながるということで、我々が率先して取り組むべきではないかと考え、導入を決定しました」と、商品部の深谷課長は導入経緯を説明する。
それまでのマスタ登録業務は、仕入先からメールで送られてくるエクセルフォーマットの商品マスタ情報を、商品部の担当者が1名で処理していた。マスタ登録業務を担当する菅原さんは、「エクセルのデータは入力もれやミスが多く、カナの半角・全角まで一つひとつ目視でチェックしていました。ペット関連商品は改廃が年2回に集中するため、その時期は3,000 ~4,000SKU /月の入れ替えが発生し、とくに大きな負荷となっていました」と語る。
商品マスタ登録支援サービス導入に際しては、既存の仕組みをそのまま移行するのではなく、自社のマスタとプラネットの商品マスタ項目とのすり合わせや、登録項目の追加・変更をプラネットとともに綿密に行った。
「マスタ項目に関して、プラネットからいろいろとアドバイスをいただき、今後の社内マスタのあり方も含めて、大変勉強になり感謝しています」(菅原さん)。
また、社内の内部統制上、今回のシステム変更を機に、担当者および上長による二段階承認のワークフローを商品マスタ登録業務にも取り入れた。
のべ14回の説明会で仕入先に周知徹底
商品マスタの登録方法を変更する上で、最も力を入れたのが、仕入先メーカーへの周知徹底だった。
「こうした取り組みは最初が肝心です。当社では商品マスタ登録支援サービスの導入にあたり、全ての仕入先様に対して、プラネット商品データベースへの商品情報の登録徹底をお願いしました。ところが中堅・小規模のメーカーには商品データベースについてよく知らないご担当者が意外と多く、中には『利用に際して料金が発生するのではないか』と心配して問い合わせてくる企業もあったのです」(深谷課長)。
そこで同社は、プラネットと共同で、仕入先に向けた説明会を繰り返し開催した。
「名古屋駅前に会場を借り、合計4日間、のべ14回にわたって行いました。まずは2009年7月に取扱いアイテムの多いメーカー様を対象に実施して、8月から商品マスタ登録支援サービスの運用を開始。さらに同年12月、そのほかのメーカー様向けの説明会を開き、2010年1月から全面的に導入しました。現在では、すべてのメーカー様に商品マスタ登録支援サービス経由でマスタ情報を送信いただいています」。
その後も、新たにメーカーと取引を始める際は、その都度、商品マスタ登録の仕組みを説明し、必ずプラネット商品データベースへの登録をお願いしているという。
こうして、すべての仕入先がプラネット経由で登録するようになったことにより、自社の商品マスタ情報を仕入先と共有できるようになった。
「これまでは商品マスタが新規に登録された後に、当社が付番した商品コードをメールで仕入先メーカーのご担当者にお知らせしていましたが、今では商品マスタが登録されると、当社商品コードの入った商品情報が90日間、プラネットの中で保存されます。仕入先様は商品マスタ登録完了のメールが届き次第、専用画面で確認できますので、レスポンスの向上を実感されているかと思います」(菅原さん)。
ペット業界を挙げた取り組みが不可欠
ただし、商品マスタ登録支援サービスの有効活用については「まだ道半ばというところ」と山田部長。
「我々の業界には『ペットフード安全法』という法律があり、トレーサビリティの観点から原産国等の管理が義務付けられています。このように、プラネット商品データベースには登録されていない、当社独自の管理項目は多数あります。また、製造工場の変更に伴う原産国の変更は最近では珍しくありませんので、商品改廃やパッケージなどと同様、タイムリーなメンテナンスが欠かせません」。
また同社の場合、商品の取り扱い幅が広く、人々の食の安全につながる家畜の飼料も扱っていることから、「飼料安全法」の規定で8年間データを保存しなければならない。そのため、商品マスタ登録をプラネット経由に切り替える以前の、膨大な過去データのメンテナンスが大きな課題となっている。
「これらのデータもすべてプラネット商品データベースに取り込んでメンテナンスしてもらえるのが理想ですね」。
深谷課長からは、具体的なプラネットへの要望として、次の点を指摘いただいた。
「今いちばん困っているのは、商品名の統一です。最近は商品名が長いものが多く、伝票に出力する際には短縮表記が必要です。この短縮された商品名がメーカー内で統一されていないため、同じ商品でも扱う卸売業が異なると、違う名称がついていることがあります。これは業際統一伝票にも関わってくる部分ですから、ぜひプラネットが中心となって、桁数に応じた商品名短縮表記のルールを周知・徹底していただきたい」。
プラネットはこの件やペットフード安全法への対応について、メーカー・卸売業の業界団体と連携して検討を進める予定だ。
最後に、山田部長がこう締めくくった。
「いろいろと課題はありますが、我々はプラネットの取り組みに大いに期待しています。メーカー、卸売業、小売業というサプライチェーン全体で商品データベースを共有できれば、ペット業界自体の業務効率化と競争力の強化につながります。そのためには、まず我々卸売業が商品データベースを活用し、仕入先様に商品データベースへの登録を徹底するよう働きかけていくべきです。また、プラネットにはメーカー各社と連携し、商品の改廃等の情報を含む商品データベースのメンテナンスをぜひお願いしたい。業務を効率化するには、何件登録があるかではなく、何件"活きた登録"があるかということが、もっとも重要なのですから」。
ユーザーの声
山田 正明さん
商品データベースに日々登録している商品情報が、お得意先のマスタ登録に活用され、業務効率化のお役に立てるのは嬉しい限りです。これからも"鮮度"と"精度"に留意した商品情報メンテナンスに努めてまいります。
小野 努さん
マスタの項目は以前より増えましたが、商品データベースの情報を活用できるので、操作性が良くなり、助かっています。マスタ登録済の自社商品全てを画面で随時確認できるようになると、もっと便利ですね。