近世城郭建築の最高傑作
シラサギが羽を広げたような優美な姿から「白鷺城」の愛称で親しまれる姫路城。美しさと機能性の両面を兼ね備えた、近世城郭建築の最高傑作です。1993年、法隆寺地域の仏教建造物などとともに日本で最初の世界遺産に登録されました。
姫路城の外壁が白くなったのは、関ヶ原の戦いの後に城主となった池田輝政が、大改修を行って白漆喰で塗り込めたから。徳川家への忠誠を示すために家康好みの白色にこだわって築城したとも、戦国時代の終わりを予感して、「武による統治」ではなく「美による威嚇」が必要になると考えたからともいわれます。白く輝く城郭は、大坂城と西国大名に、にらみを利かせる大きな効果があったことでしょう。
四季折々の風景が楽しめる姫路城では、春になると満開の桜に、そしてゴールデンウィークにはまばゆい新緑に包まれます。現地を訪問した際には、ARアプリ「姫路城大発見」をスマホにダウンロードすると、さらに姫路城の魅力を楽しめます。
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姫路城の基本情報
■分類:文化遺産 ■登録年:1993年 ■所在地:兵庫県姫路市本町68
■アクセス:JR姫路駅より徒歩約20分
■最新の情報は以下よりご確認ください。
姫路城公式サイト https://www.city.himeji.lg.jp/castle/
監修・文 久保田裕道
世界遺産ライター・解説者。50カ国、200カ所の世界遺産を訪問。世界中の文化や自然に触れた経験をもとに、各地の魅力や最新情報を伝えている。「絵本のようにめくる世界遺産の物語」(昭文社)監修、NHK出演など。