物価高、物流等が購買・消費にもたらす影響を探る
「インターネットは一般消費財流通をどう変えるか 2024」を読み解く
3年以上に及んだコロナ禍、長引く物価高は、日常の購買・消費に大きな影響をもたらしています。また、今年4月からは自動車運転業務の時間外労働に上限が設けられ、物流への影響も懸念されています。このような状況の中、当社では消費者の日常や意識の変化、買物に関する価値観の変化等を調査し、「インターネットは一般消費財流通をどう変えるか 2024」を発行しました。そのポイントをご紹介します。
ー 私がご紹介します ー
今村 佳嗣
執行役員
マーケティング&
イノベーションユニット
ユニット長
物価高・社会課題への意識・行動
衝動買いは控え、メリハリ消費
「以前より、節約して生活をしている」は「そう思う」「ややそう思う」の計(以下、肯定)が全体で58.2%に上り、「そう思わない」「あまりそう思わない」の計(以下、否定)の8.8%を大きく上回りました(図表1)。「自分が気に入った付加価値のあるものなら、高価でも購入する」は同37.9%で否定の22.2%を上回り、特に20代女性で肯定が53.2%と半数を超えています(図表2)。「お金をかけるモノとかけないモノを区別し、消費にメリハリをつけている」は肯定が全体で53.9%。全体的に衝動買いはせずメリハリのあるお金の使い方をしている傾向がうかがえます。
一方、「環境への配慮や、社会貢献につながる商品を買っている」は肯定が全体で24.3%、否定が24.6%とほぼ同率であり、普段の買い物ではあまり意識されていないようです。
物価高に対する買い物の工夫
節約・低価格指向は20代に顕著
「大容量サイズの(割安な)商品を買うようにしている」は全体の47. 7%が肯定で、否定17.8%を大きく上回りました。「お店に行く回数・購入頻度を減らすようにしている」は肯定が全体35.6%、20代女性では47.6%で、特に若い女性が買い物回数を減らしています。
柔軟剤・漂白剤、芳香剤・消臭剤、歯磨き・マウスウォッシュ、ハブラシ(図表3)の利用や交換回数を減らしたかを聞くと、「あてはまる」は概ね11~17%で、いずれも男女とも20代の割合が最も高くなっています。洗濯用洗剤、ヘアケア商品(図表4)、基礎化粧品、メイクアップ化粧品を「低価格品に変えた」人の割合は、概ね15~16%。やはり男女とも20代の割合が高い傾向で、日用品、化粧品の節約意識は20代で顕著でした。
宅配便についての意識の変化
配送時間の増加や値上がりに理解
「最近は、以前より配送日数が長くなっていると実感している」は肯定が全体で33. 6%となり、3人に1人が変化を感じていることがわかりました。「人手不足などで、今後はもっと配送に時間がかかってしまうのは仕方がない」は肯定が全体で65.7%、「配送料金が全体的に値上がりしていくのは仕方がない」は同50.8%で(図表5)、半数以上の人が宅配にかかる時間の増加と値上がりに理解を示しています。「再配達を無くすよう、宅配ボックス・置き配・日時指定を積極的に利用したい」は肯定が全体で66.0%と高い割合である一方、「コンビニ・最寄り施設での受取りサービスを積極的に利用したい」は同35.3%にとどまっています(図表6)。
▶ 「インターネットは一般消費財流通をどう変えるか 2024」(全129ページ)をダウンロードいただけます。
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