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VANVAN topics

中国における緊急調査報告書

「コロナ後」のインバウンド市場を見据え
中国訪日リピーターへの意識調査を実施

新型コロナウイルス感染症の発生により、インバウンド市場は大きな影響を受けています。そんな状況のなか、訪日外客数の多くを占める中国の訪日リピーターがどのようにして日本に関する情報収集や日本製品の購入を行い、またコロナ終息後の訪日についてどんな考えを持っているか、アンケート調査を実施しました。調査結果をまとめた報告書から、要点を抜粋してご紹介します。
※2019年の訪日外客数31,882,049人のうち中国からは9,594,394人と約3分の1を占めた/出典:日本政府観光局(JNTO)

調査概要
「訪日リピーターの新型コロナウイルス (COVID-19)感染拡大に関する意識調査」

調査方法:中国主要都市でのインターネットによるアンケート調査
調査期間:2020年3月23~25日
調査対象:訪日経験3回以上、かつ1年以内に訪日した20~59歳の男女

日本の医薬品への関心が上昇 化粧品には根強い需要

 新型コロナウイルスの感染拡大により外出・渡航が制限されたことで、中国の人々の情報収集や買物の手段において、インターネットの比重が増大しています(図1)。
 今回の調査では80% 以上の人がネットでの情報収集が増えたと回答。日本製品についての情報収集も活発で、特に医薬品は「とても増えた」が17.4%、「やや増えた」が33.2%、衛生用品は「とても増えた」が14.6%、「やや増えた」が30.0%と、増加幅が大きくなっています(図2)。健康に対する意識の高まりとともに、品質のよい日本の医薬品などへの興味が高まっているようです。医薬品を中国で販売するには許認可の壁がありますが、次の訪日の際に医薬品の購入が増える可能性があります。

 

 感染拡大以前、日本製品の購入手段は主に、「日本を訪問し購入」「中国国内のお店で購入」「ECサイトで購入」に3分されていましたが(図3)、現在は日本を訪問できないため、すべての商品カテゴリーで「ECサイトで購入」が最多になっています(図4)。「ストックがなくなれば購入しない(購入をあきらめる)」という人も一定数いますが、化粧品については、この選択肢を選ぶ人の割合が小さく、好きなブランドへのこだわりが強いと考えられます。
 すべてのカテゴリーにおいて、外出や渡航制限が解除された後の入手方法の意向は感染拡大前とほぼ同じであり(図5)、終息後はこれまでどおり、「日本を訪問し購入」「中国国内のお店で購入」「ECサイトで購入」を使い分けるスタイルに戻ると予想されます。

86%が終息後の訪日を希望 積極的な情報発信がカギ

 中国での感染拡大が明らかになった際、日本がいち早く支援物資を届けたことなどから、約75%の人が日本への好感度が上がったと回答しています(図6)。渡航制限が解除され、安全が確認できれば、86%もの人が日本を訪問したい意向を持っています(図7)。新型コロナウイルスが終息すれば中国人ゲストのインバウンド消費が復活することは間違いなく、今後は日本と日本製品の新しい魅力の創出と積極的な情報発信が大切になってきます。
 時期を想定することは難しいですが、いつかまた訪れる訪日リピーターを受け入れる準備はしっかりと整えておく必要があります。次に訪日した際の旅行スタイルや買物行動はきっと変わっているはずです。

(この記事は2020年4月に執筆)

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