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意識調査 Fromプラネット

2017.05.15
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暮らし

Vol.61 宅配便に関する意識調査

50代女性の9割超がネット・通販での買い物で「宅配便」を利用
~再配達の理由に “指定時間に帰宅できなかった” “インターホンの音に気づかなかった”も~

 国内1,200社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット(所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は、日用品にまつわるトピックスをお届けする『Fromプラネット』の第61号として、宅配便に関する意識調査の結果をご紹介します。
バックナンバー https://www.planet-van.co.jp/shiru/from_planet/index.html

宅配便の利用シーン1位はやはりインターネットや通販でのショッピング

 購入した商品の配送や贈答品のやり取りなどに便利な宅配便。最近は、その荷物量や再配達の増加による業界の人手不足がニュースになっています。今回は、宅配便をテーマにアンケートを行い、利用シーンや受け取り不在時の対応などについてまとめました。
 始めに、どんなときに宅配便を利用するかを聞きました。すると、やはり最も多かったのは「インターネット・通信販売で購入したとき」で、87.1%と圧倒的。次いで「お中元・お歳暮」29.2%、「お祝いの品を親族・友人・知人に送るとき」28.8%、「重いもの・大きなものを購入したとき」26.3%となりました。ここまでの項目では25%を超え、4人に1人以上が利用しているものでした。
 男女別に見ると、男性より女性のほうが数値の高い項目が多く、特に「お祝いの品を親族・友人・知人に送るとき」「重いもの・大きなものを購入したとき」の項目では男女差が10%以上と目立っています。反対に、「ネットオークションの商品発送」「ゴルフバッグ、スキーなどレジャーのとき」「レンタルDVD」「出張のとき」などの項目で、男性の数値が女性を上回っていました。
 1位の「インターネット・通信販売で購入したとき」に注目すると、性年代別で最も高かったのは女性の50代で、なんと91.9%。男性では40代~60代で、女性では30代~60代で85%を超えており、ネット通販を特に利用している年齢層であることがうかがえます。時間を選ばず好きな時間に買い物ができ、ほしい物を検索できるため探す手間をはぶける利便性が、仕事でも家庭でも忙しく時間に追われる年代の需要に応えているのかもしれません。
 一方で、「宅配便は使わない」が、男性の20代と30代で特に高く15%を超えていました。男性の20代と30代は、他の性年代に比べて数値の低い項目が目立ち、宅配便を利用する機会が少ない年齢層と言えそうです。


表1

通信販売利用者の宅配コスト意識は…? 3人に1人以上が「意識していない」

 宅配便の荷物量の増加に影響していると言われている、ネット通販。そこで、始めの調査で「インターネット・通信販売で購入したとき」と回答した人に、配送にかかるコストを意識しているかどうかを聞いてみました。すると、「意識している」と答えた人は64.3%、「意識していない」と答えた人は35.7%。「意識している」人のほうが多いものの、3人に1人以上は「意識していない」ことがわかりました。男女別に見ると、「意識していない」が男性では61.9%に対し、女性では67.9%。始めの調査から女性のほうが宅配便を利用するシーンが多いことがわかりますが、それがコストを意識することにもつながっているのかもしれません。
 年代別に見ると、おおむね年代が高くなるほど「意識している」割合が高くなる傾向が見られました。男性では70代以上で71.9%と最も高く、女性では60代と70代以上で8割を超えています。これに対して、女性では30代で60.7%と最も低く、男性では30代で48.9%と5割を切りました。若年層ほど、宅配便のコストをあまり意識せずにネット通販を利用する傾向があることがうかがえます。宅配便のなかった不便な時代を知る年代の人ほど、ネット通販の便利さ、宅配便のありがたみを身にしみて感じられるのかもしれません。


表2

不在時再配達依頼の手段…高齢層はドライバーに電話、若年層はネットで

 宅配業者の負担増の原因のひとつが、配達時不在による再配達の増加だとも言われています。そこで今度は、不在で荷物を受け取れなかったときにはどんな対応を取っているのかを調べました。最も多かったのが「ドライバーに電話して再配達を頼む」55.0%。次いで「再配達受付センターに電話して再配達を頼む」43.0%、「インターネットで再配達を頼む」35.0%となり、上位3位を「再配達」の項目が占めました。「宅配ボックスに入れてくれる」「最寄りの営業所・取扱所に受け取りに行く」「コンビニ受け取りを指定する」などの再配達以外の項目は4位以降。やはり再配達を頼んでいる人が多いことがわかります。
 性年代別に見ると、「再配達」の頼み方に年代によって異なる傾向が見られました。「ドライバーに電話して再配達を頼む」は、高齢層ほど高く、若年層ほど低い傾向。反対に、「インターネットで再配達を頼む」は40代以下の特に女性で高く、高齢層では低くなっていました。高齢層の人は、電話して直接ドライバーと話すほうが安心できると想像されます。逆に、若年層では、インターネットで対応するほうが慣れていることに加え、直接ドライバーと対応するのがかえって煩わしいと感じる人もいるのかもしれません。女性の場合には、見ず知らずのドライバーに直接電話をかけることに抵抗があることも考えられます。
 「コンビニ受け取りを指定する」には時間を気にせず受け取れるメリットがあると思われますが、男女ともに30代で他の年代に比べて高く、1割を超えていました。コンビニに行くことが習慣化している年代なのか、あるいは帰宅時間が遅くコンビニ受け取りのほうが時間の融通が利くのか…いろいろ考えられますが、面白い結果です。 表3


表3

配達時不在の理由…指定時間に“帰宅できなかった” “外出してしまった”人も

  さらに、不在で宅配便を受け取れなかった理由を尋ねました。
 1位は「荷物の配達を知らなかった」54.0%、2位は「時間指定ができなかった」34.3%、3位は「配達方法・時間の指定ができなかった」23.6%。上位は、“いつ届くかわからなかった”という理由が占めていました。贈答品などは、送り主からあえて送ったと事前に知らせないものですし、自分で購入した商品でも、時間指定ができないものもあります。逆に考えると、届くことが事前にわかったり、時間指定ができる場合には、荷物を待って在宅する人が多いと言えそうです。荷物を確実に受け取れる時間指定サービスが有効に機能していることがうかがえます。
 しかし一方で、4位「時間指定の時間に帰宅できなかった」が20.7%、5位「急用ができて、指定時間に外出してしまった」が15.1%と、15%を超えており、宅配便が届くとわかっていても不在にしてしまった人も少なくないことがわかります。
 性年代別に見ると、女性の20代から50代で特に「時間指定ができなかった」と回答した人の割合が高く、特に30代女性で47.8%と最も高くなっていました。30代女性は30代男性とともに、6位の「残業や急な予定で、指定時間に帰宅できなかった」の項目でも他の年代に比べて数値が高くなっています。在宅率が低く、時間指定サービスを利用している人が多いのかもしれません。反対に、女性の60代・70代以上と男性の70代以上では「時間指定ができなかった」の数値が低くなっていました。高齢層の人は在宅率が高く、時間指定サービスを利用している人はそれほど多くないと考えられそうです。


表4

“チャイムに気づかなかった” “在宅していたのに不在扱い”など残念な理由も

 不在で荷物を受け取れなかった理由で「その他」と答えた人の自由回答を紹介します。
「宅配ボックスの空きがなかった」など、自分ではどうしようもない理由が挙げられていた一方で、意外に多かったのが「インターホンの音が聞こえなかった」「在宅していたのに不在通知が入っていた」など、“在宅していたが出られなかった”という回答。水仕事をしていたり掃除機をかけていたりすると、インターホンの音が聞こえないこともあります。受け取る側には「在宅していたのに受け取れなかった」と不満が残り、配達側も再配達の負担を負うことになり…双方にとって残念なことになってしまっているケースが少なからずあるようです。
 そのほか、「指定したとおりの時間帯に配達されなかった」「指定時間よりも早く宅配便の人が来た」など、配達側の事情と思われる理由も見られました。


表5

旅先のお土産から米・飲料まで…“あってよかった、宅配便”エピソード

【旅行・帰省時の荷物やお土産】
● 海外旅行の際、空港までスーツケースを配送してくれるサービスを利用し、移動が楽だった。 (男性・50代)
● 90歳を超える母と旅行に行ったとき、荷物を近くのコンビニから家に送り、とても助かりました。(女性・60代)
● 子連れで実家に帰省する際、おむつなどを宅配便で送れたので、身軽な状態で移動できました。(女性・30代)
● 旅先のお土産を家族に送ることができました。自分より先にお土産が届いて喜んでもらえました。(女性・40代)
【重いもの、かさばる商品の配送】
● お米やお酒など重たいものを自宅まで運んでもらえてとても助かっています。(女性・50代)
● 重い飲料をケースで頼むので、配達してもらえるのは助かります。(女性・40代)
● 子どもが双子だったので乳幼児の頃は外出が大変でした。ミルク、おむつ、トイレットペーパー、お米などなど、重たいもの、かさばるものは宅配便で自宅に届けてもらって大変助かりました。(女性・40代)
【通販・ネットショッピング】
● インターネット通販を利用。仕事が忙しく帰宅が遅いので、宅配の時間指定はとても助かります。(女性・50代)
● 仕事が不規則で、スーパーなどがほぼ終わっている時間に帰宅することが多いため、夜でも頼めるネット注文で宅配していただけるのはとても助かる。(女性・30代)
● 田舎に住んでいるとほしいものがネットでしか買えないので、宅配便はとても助かっている。 (女性・50代)
● 病人が家にいるときに必要な物を病人から離れずに手配し、届けてもらうことができたのはとても助かった。宅配便は、在宅看護や介護の一助となっていることが実感できた。(女性・40代)
【贈り物や遠方の家族への荷送り】
● 伊勢海老を生きたまま実家の母に送ったところ、たいへん喜ばれた。(男性・50代)
● 一人暮らしを始めた頃、祖母が田舎から農作物などを送ってくれた。とてもうれしかった。 (女性・50代)
● 父の日と母の日に花束を期日指定で送り、たいへん喜ばれた。(男性・60代)
【便利すぎる?…見直しも必要】
● 早くて正確である。注文したら確実に届く。こんなサービスは世界に類がない。(男性・60代)
● 身体的な事情からほとんどの物をネットで購入しています。便利でとても有り難いのですが、もう少し不便(?)でもいいと思います。サービスの行き過ぎを感じます。(女性・50代)
● 現在の宅配業務は根本的な改善が急務と感じる。再配達課金制大賛成!!(男性・50代)

 最後に、“宅配便があってよかった”というエピソードを聞きました。最も多かったのは、旅行・帰省・出張時の手荷物やお土産の発送。次いで、米や飲料といった重いものやかさばる商品の配送、そして通販・ネットショッピングでの利用でした。ネットショッピングの利点は、24時間いつでも買い物できること、また実店舗で見つからない商品や近くの店では手に入らないものを買えること。こうした宅配便のメリットを切実に感じているのは、体力のない高齢者や乳幼児を抱えた母親、不便な地域に住む人など、いわゆる“買い物弱者”のようでした。玄関先まで届けてくれることが有り難いという声も目立ち、コンビニ受け取りでは解決できない問題もあるかもしれません。料金などの見直しが進んでも、必要な人にとって利用しやすいサービスが続くといいですね。


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