- 共同集約物流センターが稼働し、大多数の卸売業が参加する場合はその地域における物流処理の占有率は非常に高くなってくる。その際占有率の高さに甘んじて、仮にあまりにも独善的かつ不合理な行為があれば、センターの存在そのものがデメリットとなり意味がなくなる。そうした問題についても充分検討する必要がある。
(1)連携の歯止め
各センターの連携が重要であることは間違いないが、これが度を過ぎるとたとえば独占禁止法などに触れることが考えられよう。
- →事前の充分な検討と確認が必要である
- 卸売業は物流だけで競争しているわけではない。営業活動などの他の競争手段も多いのである。そこで共同の集約物流センターを利用するようになった時の営業面での問題についても検討する必要がある。以下その点についてあげてみる。
(1)営業情報の守秘
非常に難しいが必ずクリアしなければならないテーマとして、物流活動は協力しながらやっていくが、営業上では相互に競合することになる。従って売上情報やセールスプロモーションに関する情報について共同物流センターが得た情報は絶対に関係企業以外には漏洩しないよう工夫する必要があろう。
- →営業戦略上の秘密が他社に漏洩しないシステムとする
→センター要員は物理的に見える情報(特売のアイテムなど)も守秘する義務を果たす
- (2)取引条件の充分な調整
通常個々の小売業との間で交わされる取引上の取り決め事は物流面でもかなりの数に上る。それらの取引上の条件ともいえる取り決めは、共同集約物流センターを利用する上でもなくなることはないだろう。個々の企業の営業が共同物流センターの事情を考えずに小売業からの物流上の要求を丸呑みしていては、本来目的にしているコスト削減ができなくなってしまう可能性もある。そのため共通の認識ができ、かつ各社の健全な競合関係を保つことができる条件受け入れ方法を確立する必要があろう。
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→物流上の取引条件の標準的メニューを用意し、その中でコスト計算して小売業と折衝する
→例外的条件は対応のルール(委員会制とか、代表メンバーで決定するなどを決めておく)
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