4-3 共同組合方式

 共同組合による共同物流の事例は多い。従ってこの方式が採用される可能性も高い。しかし共同組合の場合には次の様な特徴があり、注意が必要となる。
(1) 当業界の物流システムに対する要求は大変激しく変化するので理事会などの意志決定の進め方が大きなポイントになる。
(2) 運営組織は組合といえども、現場運営は別法人化や外部委託などの方向に向いてきていることから運営組織化は慎重に行う。
(3) 組合員同士の結果、淘汰がすすみ全員参加ができなかったり、相互扶助にならないケースも起こりうることも留意する必要がある。
(4) 当業界の物流事情からすると、新規・追加の投資が続く可能性もあり、公官庁などとの折衝がスムーズに行くような形をとらなければならない。


4-4 共同出資方式

 共同で出資することにより第三者的な立場の法人ができあがる。しかしその中で誰がリーダーとなるのかというと第三者的になりにくい。平等という観点からすると運営上厳しく監視する必要があろう。また出資した同士でも出資比率などから差が生じることも考えられる。そうしたことから共同出資方式も必ずしも広く参加卸売業を集めるということについては考慮が必要である。


4-5 合併方式

 この方式では共同化によるデメリットの大半はなくなる。誰が責任を取るかは明確であり、また競争の点においても単純化できる。方式としては最もスムーズであり、また成功している事例は業界の内外を問わず多いのである。しかし、合併そのものは経営の根幹に係わる問題であり、単純に物流面からの必要性のみでそう簡単にできるものではない。


4-6 第三者資本による運営方式

 資本を持つ第三者(代表の卸売業1社がこれを主催する場合を含む)、例えば運輸会社、倉庫会社、物流サービス会社(中には物流システム・サービスの専門請負業とも呼べる企業も多い)が倉庫、物流機器、設備一式、作業者などを一括して準備し、中間物流をこなす。この場合には第2章のような問題が発生するが、比較的切り分けが明快になる。