3-3 地区単位一括(1センター)方式

 総合的な物流量を地区の人口と比例させ配分することで、各地区にそれぞれ1つの集約物流センターができあがるという方式で考えた。
 この方法については地区ごとのバランスやセンター規模の制約条件などを設け、シミュレーションを行う必要がある。但し、この方法については既に第1部で紹介しており、基本的には同一内容であるのでここではそのシミュレーションは省略する。


3-4 3センター別運用(競合)方式

 商流を考慮すると第2章でも述べたように競争の原理が働くことが市場のニーズからしてふさわしいということになる。従って単純に集約化だけをとらえて物流センターの規模を想定しただけでは、実際には成り立たないことが考えられる。
 そこで1地区に同様の規模、機能を備えた集約物流センターを配置し、それぞれが競合することも検討する必要がある。またこのことを「出荷システム別分割方式(3-5参照) 」の想定にあてはめると中規模の集約物流センターの立地が重複するようなシミュレーション結果となってしまう。
 また、一方でナショナルチエーンやリージョナルチェーンのような大手チェーンへの対応を考えると1つの集約物流センターで対応する配送エリアを大幅に越えることが想定される。仮にこれを地区ごとの集約物流センターで割り振って配送すると細かく分かれすぎになり、また、代表の集約物流センターで一括して配送するとトラックがかなり交錯して走ることになってしまう。
 以上の点からひとつの事業母体によるセンターには合理性からみて数の制約が生まれることがわかった。
 これらの矛盾点をクリアする方法が競合方式である。あるひとつの小売業から見た場合、最低2社、標準的な数は3社以上となる組み合わせであれば、多少配送の合理性は失われるが、市場の要求(競争の原理)にも応えられることが大きく、案としては有力でありかつ成り立つものと考える。
 但し、集約物流センターの分類としては「3-5」とほぼ同様になるため、具体的な分析はせず発想だけにとどめることとする。