(3)輸送効率化モデルにおける算出結果

 前述の方法により、首都圏と九州(消費地)について算出をおこなった。
 両地域において、輸送効率化モデルによる物流コスト削減効果が見られたが、特に大きくコストが低下したのは、中間物流拠点数が多い首都圏である。首都圏においては、総物流コストについて6.39%、輸送コストについて14.65%の削減効果がみられる。これに対し、九州地域は、総物流コストについて0.76%、輸送コストについて1.68%の削減効果である。
 最適中間物流拠点数は、首都圏、九州ともに変化はなかった。
 また、図表1-35、37からわかるように、輸送効率化モデルでは、総物流コスト曲線が基本モデルに比べてややフラットになる。すなわち、中間物流拠点が増えることによる物流コストの増加を吸収する役割を果たすことが読み取れる。
 これによって、共同輸送やマルチピックなどの試みは、特に中間物流拠点が数多く密集している消費地に有効であることがわかる。

図表1-33 輸送効率化モデルと基本モデルとのコスト比較