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
ユーザー側に立った標準化を
FSP(Frequent Shoppers Program)の中核的なツールである棚割システムは、広く普及が進んでいます。棚割システムには複数のシステムがそれぞれに稼働していて、異なるシステム相互の情報交換ができませんでした。そこで、一般社団法人流通問題研究会(IDR)が「棚割システム研究推進会」を立ち上げ、相互に情報交換できるように情報交換仕様PTS(Planogram Transfer Specifications)を1999年に制定しました。その後、PTSが使い込まれているうちに更なる必要性が生じ、2005年にバージョン2に改定、さらに2013年にはバージョン3を取りまとめました。
FSPが注目される中、棚割システムの必要性も高まって来たためと思われますが、今後は利用する小売業種も増え、適用するカテゴリーも拡大するでしょう。更には、海外での利用も増えると思われます。
このIDRの「棚割システム研究推進会」は、ユーザー側の立場に立った組織です。システムの供給サイドの仕様は囲い込み志向のためか、必ずしもユーザーとしては使い勝手が良くないこともあります。その点、PTSはユーザー側の使い勝手を少しでも良くするための仕様です。今後も、ユーザーの方々のみならず、システムの供給サイドの方々にも尊重していただければ幸いです。