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[ 2012年1月5日 ] 年頭所感 株式会社プラネット 代表取締役社長 玉生 弘昌

問屋無用論の「流通革命」から50年

 東大の林周二氏が「流通革命」を著し、問屋無用論を唱えてから、今年で50年となる。近頃、「流通革命」に対する風当たりが強い。「卸は結局なくならなかった」「いまでも卸は成長し利益を上げている」「メーカーも小売業もメリットを受けている」など、なかには、「流通革命」は流通業界に害を与えたという論調のものもある。

 50年前の1960年代は、高度成長前期で、毎年2桁の成長をしていた時期である。1960年に池田内閣が所得倍増構想を提唱してから7年目に実現し、翌年の1968年にはGDPが世界第2位になったのである。当時の流通の現場は大量生産と大量消費のハザマにあり、対応に苦慮していたのは事実である。

 林氏は、当時の卸店には大量処理能力はないと見ていたようで、次のように述べている。
 “「問屋滅亡論」は、今日の問屋そのものが自動的に滅亡するという安易な論としてではなく、滅亡させるべきであるという政策論の意味で筆者は賛意を表する。”
 かなりきつい表現である。もっと過激な記述もある。
 “各業界とも、有力メーカーや進歩的小売商たちは、問屋をうとんずる傾向がとみに顕著になり、焦燥感に駆られる問屋側も、問屋連盟などの名で「問屋無用論に反駁する」などという鬱憤ばらしの声明文(それらの内容は、今日の問屋経営者の頭脳レベルを反映して、論理の貧弱なものが多い。)を発表したりする有様である。”(原文のまま)
 問屋は知的に劣っていると、林氏は思っていたのだろうか。

 林氏には、二つの思い違いがあったと考えられる。一つは、西友やダイエーが登場する中で、小売業の寡占化が進むと考えた点である。小売業の寡占化は欧米では進んだが、日本では進まなかった。寡占化は、本来好ましいものではなく、自由競争を阻害する環境を作り出すとみなされている。世界最大の小売業に成長したウォルマートは、近年、ウォルマートエフェクトといわれる弊害が多く指摘されている。日本では、人口当たりの小売店数が欧米に比べてかなり多いが、これはより健全な競争環境が保たれているというべきである。数の多い小売店に適切に商品を供給するのは卸売業の重要な社会的役割である。

 二つ目は、商品は画一的な規格品に集約されると考えた点である。当時は旺盛な需要を満たすために、規格化された商品を大量に供給するというのが、社会的命題であった。おりしも、急速に普及が進んでいたテレビというマスメディアによって多くのナショナルブランドが育ち、市場に流れ込んでいた。もちろん画一的商品である。
 林氏は、消費財の商品とは画一的で安い商品が大量に供給されることが理想形と考えていたのだろう。この点について、勘の鋭い堤清二氏は次のよう述べている。

 “ この流通革命論を突き詰めると、一番合理的な消費は国民全員が制服を着るということになる。 ” ( 出典 : 中公新書 「 無印ニッポン 」 堤清二・三浦展著 )

 今日、基本的生活を充足するためのナショナルブランドのコモディティ商品はもちろん存在するものの、成熟化した市場は多様性が進み、多種多様な商品が市中にあふれている。日用品雑貨化粧品及びペット関連の市場には10万アイテムに及ぶ商品が存在する。これだけ多様な商品を効率よく小売業に提供できるのは卸売業以外にない。

 50年もの間、世間から評価されないなか、着実に仕事を遂行してきた卸売業はそろそろ発信をしてもいいころである。1兆円を超える規模の立派な会社になった卸売業もあり、自信をもって、主張ができるはずである。


《 本件に関するお問合せ先 》
株式会社プラネット 管理本部 経営企画室
Tel : 03-5962-0811 / Fax : 03-6402-8421
E-mail : keiei@planet-van.co.jp

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